よくある質問

甲状腺疾患の診療時に、
よくご質問いただくことに関してのお答えをご紹介

甲状腺という言葉になじみがない方が多く、病気にさまざまなつらい症状があるため、いろいろなご不安があると思います。ここでは、診療でよくご質問いただくことのお答えをご紹介しています。ほかにご不安なことや気がかりがございましたら、お気軽にご相談ください。

いつよくなるのか気になります

症状がさまざまで、つらいものが多いため、いつよくなるのかが最も気になると思いますし、実際にも1番頻繁に受ける質問です。
バセドウ病など甲状腺機能が亢進している場合は、2ヶ月ほどで症状が見違えるほどよくなるケースが多いようです。橋本病など甲状腺機能が低下している場合は、早ければ1ヶ月で、長くても4ヶ月経てば元気を取り戻せます。当院では、症状が解消する期間の目安を患者さまにお伝えして、できるだけご不安なくお過ごしできるよう心がけています。
ただし、きちんと治療効果を出すためには、1日も欠かさず処方されたお薬を飲む必要があります。専門医とはいえ医師にできるのは正確な検査や適切な治療というサポートであり、甲状腺疾患を治すのはあくまでも患者さまなのです。

メルカゾールを生涯飲み続けなければいけませんか?

バセドウ病の治療薬である抗甲状腺剤のメルカゾールは、甲状腺ホルモンが正常値に収まり、症状がなくなっても、再発を防ぐために1年以上の服薬が必要になります。検査しながら徐々に減薬し、TRAbやTSAbの低値が数ヶ月続いたら薬を中止することができます。ただし、薬を中止した後も再発の危険性はゼロではなく、薬を中止した後も半年に1度の検査が必要です。

甲状腺疾患があると妊娠・出産は難しいですか?

甲状腺ホルモンは、胎児や子供の発育、成長になくてはならないホルモンです。
妊娠、授乳の際に行える治療法があり、甲状腺疾患の治療を受けながら妊活されることをおすすめしています。
甲状腺機能異常は、流産、早産、妊娠中毒症になりやすいとの報告があり、挙児を希望する場合は妊娠前から、甲状腺機能を正常に保つ必要があります。
治療をきちんと受けながらの妊娠・出産には何の問題もありません。実際に、当院で甲状腺の治療を受け、その後、元気な赤ちゃんを出産された方はたくさんいらっしゃいます。

摘出手術で傷痕を目立たなくすることは可能ですか?

当院では、内視鏡補助下の手術も行っており、これであれば開襟の服で隠れてしまう位置にほんの少し痕が残る程度ですので、ほとんど目立ちません。また、嚢胞に対して穿刺吸引して縮小させ、エタノールを注入して嚢胞を消失させるPEITという治療方法も行っています。

手術の麻酔が不安です

当院には麻酔科の専門医が常駐しており、手術の際には全身管理を行っています。手術をご検討されている方には、麻酔医とじっくりお話いただく機会を必ず設けて、ご不安なく手術を受けていただけるようにしています。ご不安や気がかりなことがありましたら、なんでもご質問ください。

最後に

当院の甲状腺疾患の治療は、内科・外科・放射線科がチームとなり、患者さまの甲状腺の状態や症状、他の疾病の有無、ライフスタイル、お考えなどによって、いくつものアプローチ方法から最適なものを選ぶことができます。一番良い治療を受けて早く元気を取り戻していただくため、病気や治療についてメリットやデメリットを含めてくわしくご説明し、十分にご理解いただいた上でご納得のいく治療を受けていただいておりますので、なんでもご質問ください。