甲状腺の働きについて

甲状腺とは

甲状腺と呼ばれている臓器は人間誰でも持っております。のどぼとけの下に、ちょうど蝶が羽を広げて気管を抱くような形でくっついています。大きさは、左右に広く縦4cm厚さ1cmで重さは15g、正常の甲状腺は柔らかいので外からは触ってもわかりません。

甲状腺の働き

甲状腺の働きは、(図)のように食物中のヨウ素を材料にして甲状腺の中で甲状腺ホルモンを2種類合成し、血中に分泌する内分泌の臓器です。

その甲状腺ホルモンは、トリヨード素サイロニンといって3個のヨウ素を含むT3、もう一つはサイロキシンといって4個のヨウ素含むT4とそれぞれ呼ばれ、トリヨードサイロニン(T3)の方がサイロキシン(T4)より4倍も強い働きをします。

甲状腺ホルモンの量は、脳にある脳下垂体からでる甲状腺刺激ホルモン(TSH)により調整されています。健康な人は、ちょうど良い適量の甲状腺ホルモンが血液中に存在するために、快適な生活が送れるのです。

甲状腺ホルモンの働き

甲状腺は、体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは、哺乳類や両生類などの動物も持っており、例えばオタマジャクシの甲状腺ホルモンが不足するとカエルになる事ができません。

人間の新生児では、甲状腺ホルモンが不足すると脳の発育や成長が遅くなり、知能障害や身長が伸びないクレチン症という先天性甲状腺機能低下症の病気を引き起こす原因となります。この時は、速やかに不足している甲状腺ホルモンを補う治療を開始しなければなりません。

このように、甲状腺ホルモンは発育や成長に欠かすことができず、また全身(脳、心臓、消化官、骨、筋肉、皮膚、その他)の新陳代謝を活発にする働きがあり、精神神経や身体の活動の調整にも働きます。

* 日本では、昭和50年(1975年)より、全ての新生児に先天性代謝異常症と一緒に甲状腺刺激ホルモンの検査をして、早期発見・早期治療につとめています。